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POPY Novels 魔法使いのステージ
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魔法使いのステージ(不協和音)
11不協和音

作: たかはしみか

絵: 井上恵美

前号までのあらすじ

夏祭りのために、緒方おがたくんのお父さんに協力してもらうことにした池野いけのさん。しかし、実際に会った二人は、昔の知り合いだった様子だけど、仲が良さそうには見えなくて……。

先に沈黙ちんもくを破ったのは、池野さんのほうだった。
「こうして会えたのも何かのえんかもしれない。ここじゃなんだから、どこか外へ行ってゆっくり話さないか」

一瞬いっしゅんの間があいたあと、緒方くんのお父さんが
「そうですね」
と答えた。
「さあ、きみたちは気にせず練習してなさい」

そう言うと、池野さんは緒方くんのお父さんを連れて行ってしまった。

奏太そうたも緒方くんもわたしも、ぽかんと口を開いたまま、二人の後ろ姿を見送った。
「知り合い、だったのかな?」

ギターをかたに下げたまま、奏太が言った。
「わからない。ぼくは小五まで父さんの実家がある青森県に住んでいたんだ。3年前にこっちに引っしてきたんだよ。でも、父さんがまだ若いときはこっちで暮らしていたらしいから、そのときの知り合いなのかなあ」

緒方くんはドラムをたたくためのスティックを両手ににぎったままで答えた。
「それにしても、仲が良さそうには見えなかったよね」

みんなが思っていたことを、奏太が口にした。
「昔、けんかしたとか?」
「かもしれないね」
「もしそうだったら、夏祭りのこと、協力してもらえないんじゃないかなあ」

その日は結局、池野さんと緒方くんのお父さんの関係が気になって、あまり練習がはかどらないまま時間が過ぎてしまった。


次の日の休み時間、緒方くんが奏太とわたしがいる教室へとやってきた。やや興奮気味だ。
「父さんと池野さんの関係がわかったよ!」

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