前号までのあらすじ
紆余曲折ありながらも、夏祭りの開催が決定した。この日の初ライブに向けて、練習を積んできた奏たちの三人。会場へ着くと、特設ステージが三人を迎えてくれた。
暑さが少しやわらいだ午後、いよいよ夏祭りが始まった。
お母さんに手をひかれる浴衣姿の小さい子どもや地域のお年寄り、そこに交じって、中学生や高校生の姿も多く見られる。
会場となった広場は、縦長の形をしている。奥のステージに行くまでの両サイドには、近所の飲食店の人たちが焼きそばやたこ焼きなど、お祭りを意識したメニューの屋台を連ねていた。
いかを焼く香ばしいにおいもする。ああ、お祭りだなあ。
開場後少し経ってから、ステージのプログラムが始まる。池野さんが直前になって司会に抜擢したという高校生二人組が、軽快なトークでステージプログラムの開始を告げた。
最初の催し物は演劇だ。
二番目に登場したのが、ハルカのグループ。舞台の上をところせましと動き回るハルカのピーターパンは、とてもキュートで華やかで、小学生の女の子たちを一瞬でとりこにし、一日にしてファンクラブを誕生させてしまうほどだった。
あっという間にプログラムは進む。わたしたちは、バンド演奏のトップバッターだ。
いよいよ出番。舞台袖に三人そろって、高校生司会者のトークを聞く。会場から笑い声が起こった。でも、正直笑うよゆうはない…。
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