勉強に効く!脳コラム10選 ~ ❼ 目標達成には「報酬 ー(ひく) 罰金」がよろしいようです

勉強に効く!脳コラム10選 ~ ❼ 目標達成には「報酬 ー(ひく) 罰金」がよろしいようです

篠原菊紀先生の脳コラム


目標達成には「報酬 ー(ひく) 罰金」がよろしいようです

夏に向けてダイエットに挑戦した方もいらっしゃるでしょうが、順調でしたか? 今回は、減量にまつわる実験結果を元に、目標達成のヒントをお話しします。

 ※確率論の用語で、ある試行を行ったとき、その結果として得られる数値の平均値のこと。ギャンブルや宝くじなら、平均してどれくらい儲かるかの値。

 結果、13週続いたかどうかの目標達成率は、対照群④で30%、賞金群①とギャンブル群③は35%で、賞金群、ギャンブル群の継続率が高かったものの、統計学的に計算すると、それは誤差の範囲の差で、①③④間に有意な(統計学的に意味のある)差は認められませんでした。
 一方、②の罰金群(いったんもらった報酬から罰金を引かれる群)の目標達成率は45%と有意に高く、人数で言えば達成した人が50%多かったそうです。 行動経済学では損失忌避性といって、報酬より、損失のほうが心理的な影響が大きく、2~4倍は効果的であるといった知見(カーネマンの価値曲線)があり、その反映とも解釈できます。


篠原 菊紀(しのはら きくのり)先生

篠原 菊紀(しのはら きくのり)先生

公立諏訪東京理科大学 情報応用工学科教授(脳科学、健康科学)。東京大学、同大学院教育学研究科修了。『頭がいい子を育てる8つのあそびと5つの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。『子どもが勉強にハマる脳の作り方』(フォレスト出版)など著書多数。NHK夏休みこども科学電話相談など、TV、ラジオ、雑誌でもご活躍。

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