❹ 何歳でどんな運動が効果的!? ~幼児期に効く! 脳コラム5選
篠原菊紀先生の脳コラム
子どもにとって運動がなぜ大事で、どのくらい必要かを、くわしく説明しています。ぜひお子さんの成長にお役立てください。
何歳でどんな運動が効果的!?
運動は大事だということはみなさんご存じでしょうが、なぜ大事で、どのくらい必要かを、今回はくわしく説明しています。ぜひお子さんの成長にお役立てください。
体のために必要な運動
2018年に米国で運動と、疾病・死亡・健康・認知機能などの関連において、蓄積されたデータに基づき、どの年齢でどの程度の運動をすべきかを示したガイドラインが出されました。
それによると、
- 3~5歳は1日中動き続けるべき
- 6~17歳は1日に少なくとも1時間の〝ほどほど~きつめ〟の運動をする必要がある
- 成人は週に2時間半~5時間の〝ほどほど~きつめ〟の有酸素運動、
または週に1時間15分~2時間半の〝きつめ~強烈な〟運動が必要
加えて、週に少なくとも2日は筋トレが求められる - 高齢成人は平衡感覚を鍛える訓練(片足立ちなど)を日々の運動習慣の一部とする必要がある
とのことです。
米国で早死にする人の要因の10%は有酸素運動不足と関連するので、このくらいは運動しましょうということだそうです。
脳の発達のために
最近はそうでもないですが、ひと昔前だと、教育熱心な保護者ほど、塾など知的な習い事には熱心でも、子どもの運動には無頓着、ということが少なからずありました。
しかし、『幼児ポピー』でおなじみの栁澤秋孝先生らの実証的な研究もあり、今ではむしろ、脳の発達のためにこそ幼児期の運動が大事だと考えられています。また、認知症や認知機能低下予防の研究が進み、有酸素運動や筋トレが、頭の働きを保ち、認知症を予防するのに大事であることが知られるようになりました。
今では、頭のために、脳のために運動を、というのも当たり前になってきています。
お子さんと一緒に保護者の皆さんも動き回れば、成人に必要な、週に2時間半~5時間の〝ほどほど~きつめ〟の有酸素運動も達成できます。
幼児期の各年齢での運動の目安
文部科学省は、幼児期運動指針で各年齢での具体的な運動について下のように述べています。
3歳から4歳ごろ
運動の種類 | 運動の内容 | あそび方・遊具 |
体のバランスをとる動き | 立つ、座る、寝ころぶ、起きる、回る、転がる、渡る、ぶら下がる | 【屋外】滑り台、ブランコ、鉄棒などの固定遊具 【室内】巧技台(とびばこなど)やマット |
体を移動する動き | 歩く、走る、はねる、跳ぶ、登る、下りる、這う、よける、すべる |
4歳から5歳ごろ
運動の種類 | 運動の内容 | あそび方・遊具 |
用具などを操作する動き | 持つ、運ぶ、投げる、捕る、転がす、蹴る、積む、こぐ、掘る、押す、引く | なわ跳びやボール遊びなど =体全体でリズムをとったり、用具を巧みに操作したりコントロールさせたりするあそび |
5歳から6歳ごろ
運動の種類 | 運動の内容 | あそび方・遊具 |
体のバランスをとる動き | ボールをつきながら走るなど =基本的な動きを組み合わせた動きに取り組む | 複雑な動きのあそびや、さまざまなルールでの鬼あそびなど |
体を移動する動き | ||
用具などを操作する動き |
ぜひこれらを目安として、意識的に運動を取り入れ、親子でたくさん体を動かしてください。脳にも体にもいいこと、間違いなしです。
↓↓↓篠原先生によるその他の 【幼児期に効く!脳コラム】 はこちら!↓↓↓
❶ 脳の根っこを育むとは?
❷ 大切なのは「好きになること」
❸ 子どもの頭の中では何が起こってる?
❺ 後伸びにつながる力を育もう
篠原 菊紀(しのはら きくのり)先生
公立諏訪東京理科大学 情報応用工学科教授(脳科学、健康科学)。東京大学、同大学院教育学研究科修了。『頭がいい子を育てる8つのあそびと5つの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。『子どもが勉強にハマる脳の作り方』(フォレスト出版)など著書多数。NHK夏休みこども科学電話相談など、TV、ラジオ、雑誌でもご活躍。
「ポピフル」は月刊ポピー、全日本家庭教育研究会がお届けしている教育情報サイトです。