小学生の勉強を習慣化する方法は?
家庭学習しない原因と対策

更新日:2024年11月01日

   

“子どもに学習習慣をつけたい”と考える親御さまは多いでしょう。
小学生の時期に学習習慣をつけることは、将来の学びの土台を作るうえで欠かせません。
しかし、学校の授業だけでなく、家庭でも子どもが自ら勉強に取り組むように習慣づけるのは、なかなか難しいものです。
学習習慣をつけるには、家庭での学習環境を整えるなど、親のサポートもある程度必要になってきます。

本記事では、学習習慣が身につかない理由を分析し、効果的な対策を提案していきます。

1.小学生が勉強しない・習慣が身につかない理由

学習内容が理解できていない

学年が上がるにつれて授業内容が難しくなっていくと、学習内容が理解できないまま、授業が進んでいってしまうことがあります。「分からない=勉強は難しい」という苦手意識が定着し、挫折感を感じてしまうと徐々にやる気を失ってしまいます。

自発的な勉強の習慣がない

学校の授業と違い、家庭学習は自分で計画を立てて進める「主体的に取り組む力」が必要となります。単なる学力向上だけでなく、「自ら学ぶ力」「学習習慣をつけること」は、将来の学びや生活においても大きな財産となります。

「勉強しなさい!」と言いすぎてしまう

親が「勉強しなさい!」と言いすぎでしまうことで、子どものやる気を失ってしまう可能性もあります。「今やろうと思ったのに!」と口論になることが多いという方もいらっしゃるのでは?声かけの仕方によっては、勉強に対して後ろ向きな気持ちにさせてしまい、逆効果になってしまうかもしれません。

2.一般的にはどのくらい勉強している?

教育メディア「おうち教材の森」が2022年に実施した「小学生の1日の家庭学習時間」の調査結果によると、全学年の平均は56分でした。
学年別には下記のとおりです。
1年生:45.7分
2年生:46.0分
3年生:61.3分
4年生:54.8分
5年生:67.7分
6年生:71.1分

3.小学生の家庭学習:学年別に見る心構えとポイント

低学年は「親子共同学習」

低学年は家庭学習習慣を身につける最適の時期です。まだ自分で勉強する内容や方法を決めることが難しいので、何を使い、どのように勉強するのか、毎日用意してあげましょう。その日の復習に教科書を大きな声で読んだり、漢字・計算練習を繰り返したり、基礎的な練習をさせます。その時、文字や数字をていねいに書くことを子どもと約束しましょう。勉強が終わったら「この字は上手に書けたね」などと具体的に、心からほめましょう。「勉強はできると楽しい。ほめられるからもっと勉強したい」という気持ちを育てることが大切です。

中学年は「進んで学習する」

中学年になると理科と社会が加わり、国語では新出漢字を多く学習したり、算数では分数や少数などの抽象的な内容が増えたりと、低学年と比べると学習の質も量も変わってきます。宿題だけでなく授業の復習もきちんとして、わからないことをそのまま放置しないように気をつけましょう。徐々に自立心を養い、親の直接的な指導を少なくし、自分から机に向かう心構えを育てていくことが大切です。しかし、まだ親の手助けも必要であるため、家庭学習の計画表を一緒に作ったり、わからないことがあった時の解決法を教えたり、いつでもサポートできる距離で見守ることが大切です。

高学年は「自発的に学習する」

高学年になると1日の学習量が多くなり、論理的、抽象的な学習内容も増えます。特に算数や理科では、論理的思考力や問題解決能力が求められるため、これらの教科が得意な子どももいれば、逆に苦手意識を持つ子どももいます。
自立心が強くなるため、親がずっとそばにいる必要はありませんが、見守っているという気持ちを伝えましょう。自発学習のポイントは周囲からの賞賛と子ども自身の成功体験です。まずは親がほめ、時には祖父母にも協力してもらい「がんばってるなー」とほめてもらいましょう。

4.家庭学習を習慣化させるための方法5選

定期的な学習時間を設定する

毎日同じ時間に勉強するルーティンを作ることで、子どもは自然に勉強の時間を認識できるようになります。例えば、学校から帰った後の「おやつ→勉強」という流れを決めると、勉強が日常の一部として定着しやすくなります。
まずは短い時間から始めることをお勧めします。例えば、最初は10分間の勉強を設定し、徐々に20分、30分と延ばしていくと良いでしょう。この際、勉強内容を明確にしておくことも大切です。例えば、月曜日は算数、火曜日は国語、水曜日は理科といった具合に、曜日ごとに科目を決めることで、子どもが何を学ぶかを事前に理解しやすくなります。 また、勉強の前後にリフレッシュタイムを設けることも効果的です。勉強後には好きなおやつを食べる、少し遊ぶ時間を設けることで、勉強に対するポジティブな印象を持たせることができます。さらに、親が一緒に勉強する時間を設けることで、子どもは安心感を持ち、学習に対する意欲が高まるでしょう。こうした工夫を通じて、家庭学習を楽しく、自然な習慣として根付かせることができます。

学習環境を整える

勉強中はスマホやゲームを目の届かない場所に片付け、集中できる環境を作りましょう。勉強専用のスペースを設け、そこに座ることで「勉強モード」に入るようにします。ダイニングテーブルや子ども部屋など、静かで集中できる場所を選び、勉強の際はその場所に座ることを習慣化します。
勉強スペースを整えるために、まずは整理整頓を行いましょう。机の上には必要な教材や文房具だけを置き、視覚的なノイズを減らすことで、集中力を高めることができます。また、勉強に適した照明を用意することも重要です。明るすぎず、目に優しい光を選ぶことで、長時間の勉強でも疲れにくくなります。
さらに、勉強中はスマホの通知をオフにするか、別の部屋に置くことで、気が散ることを防ぎます。特に、SNSやゲームの誘惑は強いため、物理的に距離を置くことが効果的です。このように環境を整え、習慣化することで、子どもは自然と勉強に集中できるようになります。

学習状況を見える化する

学習状況を見える化するためには、学習計画をカレンダーやホワイトボードに書き出し、何をいつまでにやるかを一目でわかるようにすると良いでしょう。これにより、子ども自身が進捗を確認でき、達成感を感じやすくなります。具体的には、毎週の学習内容や宿題の締切をカレンダーに記入し、達成した項目にはチェックを入れることで、視覚的に進捗を把握できます。
また、ホワイトボードを活用することで、日々の学習目標や進捗を簡単に更新できます。例えば、毎日の勉強時間や達成した課題を記入し、子どもが自分の成長を実感できるようにします。進捗を見える化することで、子どもは自分の学習状況を客観的に把握でき、どの分野にもっと力を入れるべきかを理解しやすくなります。これにより、学習の計画を柔軟に見直すことができ、効果的な学習が促進されます。最終的には、達成感を得ることで自己肯定感が高まり、学習への意欲がさらに向上するでしょう。

目標を設定する

具体的な目標を設定することで、学習の方向性が明確になり、達成感を得やすくなります。たとえば、「今日は漢字を5つ覚える」「算数の問題を3問解く」といった具体的な目標を立てることが効果的です。このように小さな目標を積み重ねることで、子どもは自分の進捗を実感しやすくなります。
また、目標を達成した際には、しっかりとほめてあげることが大切です。ポジティブな言葉でがんばりを認めてあげることで、子どもは自己肯定感を高め、次の学習への意欲を引き出します。たとえば、「漢字を5つ覚えられたね!すごい!」といった具体的なほめ言葉をかけることで、子どもは自信を持ち、さらなる挑戦に向かう姿勢が育まれます。
さらに、目標設定は子ども自身が自分の学びを管理する力を育てる助けにもなります。自分で目標を立て、達成することで、自己管理能力や計画性が養われ、将来的な学びにも良い影響を与えるでしょう。このように、具体的な目標を設定し、達成感を味わうことで、子どもは自立して学び続ける力を身につけていきます。

始めは学習時間を短めに

お子さまの学習時間を設定する際、始めは短めにすることが重要です。一般的に、小学生の集中力が続く時間は「学年×10分」と言われており、例えば小学1年生であれば最初は10分程度が適切です。この短い時間設定は、子どもにとって負担が少なく、学習への抵抗感を減らす効果があります。
低学年のうちは、授業内容がそれほど難しくないため、短時間で終わる学習を通じて「終わった」という達成感を感じさせることが大切です。この達成感は、子どもが自信を持ち、次回の学習への意欲を高める要素となります。また、毎日勉強する習慣をつけることも非常に重要です。短時間の学習を繰り返すことで、自然と学ぶことが日常の一部となり、学習習慣が身につきます。 このように、短い学習時間から始めることで、子どもは無理なく勉強に取り組むことができ、達成感を得ることでさらなる学びへとつながるのです。

5.親ができるサポート5選

学習のルーティンを一緒に作る

毎日の学習スケジュールを子どもと一緒に考えることで、学習への意欲を高めることができます。例えば、「音読→学校のドリル→通信教材」といった流れを決め、カレンダーに書き出すことで、子どもが自分の学習を管理しやすくなります。このように具体的なルーティンを設けることで、学習が日常の一部となり、習慣化されやすくなります。
子ども自身で学習スケジュールを立てることで、主体的に学ぶ姿勢が育まれます。さらに、ルーティンを守ることで、学習のリズムが整い、集中力を持続させることができます。親が一緒に学習の流れを決めることで、子どもは安心感を得られ、学習に対するポジティブな気持ちを持つことができるでしょう。

学習中は見守る

低学年の場合は勉強中は近くで見守り、必要に応じて質問に答えたり、声がけをしてあげましょう。そばにつきっきりになる必要はありませんが、例えば子どもが宿題をしている間は同じ部屋で別の作業をするなどでも良いでしょう。大切なことは、そばにいてあげることで安心感を与えることです。困ったときにすぐにサポートできる環境だと、子どもも安心して学習に取り組めます。 さらに、子どもが自分で考える時間を持てるように、あえて質問を投げかけることで思考を促すのも効果的です。「この問題はどうやって解くと思う?」といった具体的な問いかけをすることで、子どもは自分の考えを整理しやすくなります。

頑張ったことをしっかりとほめる

子どもが勉強を頑張ったときや目標を達成したときにはしっかりほめてあげましょう。「今日は漢字を全部覚えたね、すごい!」といった具体的な言葉でほめることで子どもは自信を持ち、次の学習への意欲が高まります。結果だけでなく、がんばった過程にも目を向けてほめてあげましょう。
ほめる際には「どのように頑張ったのか」を具体的に伝えることが重要です。例えば、「毎日少しずつ練習していたから、漢字が覚えられたんだね」と言うことで、努力の過程を認識させることができます。また、子どもが自分の成長を実感できるように、定期的に振り返りの時間を設けるのも効果的です。「先週よりも漢字がたくさん書けるようになったね」と具体的な進歩を示すことで、自己肯定感をさらに高めることができます。

親も勉強する姿を見せる

子どもは親の行動を真似したいと思うため、親が意欲的に学んでいる姿を見せることで、学習の大切さや楽しさを自然に伝えることができるでしょう。また、共に学ぶ時間を持つことで、親子のコミュニケーションも深まり、学習へのモチベーションを高める効果があります。
さらに、親が学ぶ姿を見せる際には、具体的な学習内容や目標を共有することが重要です。「今日はこの本を読んで新しい知識を得るよ」と言ったり、「この問題を解くためにどう考えるか一緒に考えよう」と声をかけたりすることで、子どもは学ぶことの楽しさを実感しやすくなります。また、親が学んだことを子どもに教えることで、理解を深めるだけでなく、親子の絆も強まります。こうした経験を通じて、子どもは学ぶことに対する前向きな姿勢を育むことができるでしょう。

達成感を感じられるごほうびを用意する

目標を達成した際に子どもが喜ぶような小さなごほうびを用意しておくといいでしょう。例えば、「宿題を終えたら好きなアニメを1話見る」「テストで良い点を取ったら特別なおやつを用意する」といった具体的な約束をすることで、子どもは目標に向かって努力しやすくなります。
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